2023.03.24 インフォメーション

有害物から体を守る

1、はじめに

現代は、科学が発達した時代だからこそ、多くの化学物質に囲まれながら、私たちは不便なく生活しています。

農薬、添加物、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、異物混入、工業用途食品、有害金属、遺伝子組み換え食品、食品カビ、石油製品から入る化学物質、野菜が動物から身を守るために作る物質などなど多くの有害物があります。

今回は、このように身の回りにあって、私たちの便利な生活を支えている反面、体に害をなす物質をテーマにします。

特に食材の有害性、それらから身を守るすべについて語りたいと思います。

 

2、植物に含まれる有害物

野菜は健康にいいと言われています。確かに野菜は癌予防やお通じをよくしたり、健康的と言えますが、野菜自身は鳥や虫から身を守るために、その成分内に人体を害する成分が生成されます。その中には、発癌性を帯びているものもあります。

山菜であるワラビ、ゼンマイ、ふきのとう、タラの芽には、アルカロイドという物質が含まれ大量摂取で発癌リスクが上がります。

パセリやセロリに含まれる物質は、皮膚癌との関連が指摘されています。

これら植物には発癌物質も微量含まれますが、抗癌物質も含まれるので、恐れることなくいただいて下さい。

 

3、肉類に含まれる有害物

赤身肉やベーコン、ハム、ソーセージなどの加工肉を摂取すると乳癌、大腸癌のリスクが高まることが知られています。赤身肉を毎日85g食べ続けると死亡リスクが13%増えるという報告もあります。

肉には、糖分による酸化物であるAGEや脂質からできる酸化物であるALE、リン酸塩、発癌物質であるNeu5Gcやニトロソアミン、動物性脂肪などの有害物が含まれます。

Neu5Gcはもつに多く含まれ、加熱により増加するものです。

動物性脂肪は、乳癌、大腸癌、前立腺癌との関係も指摘されています。

肉類を多量に摂取すると蛋白質過剰になり、その代謝産物が尿から排泄される際にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが排泄されます。

肉などの蛋白質は重要な栄養素ですが、摂りすぎるとミネラル不足、カルシウム代謝異常をもたらします。カルシウム代謝異常は、炎症も助長するので、体内酸化ひいては寿命とも関連します。

蛋白を摂りすぎた時こそ、抗酸化が必要です。

 

4、調理過程で作られる有害物

食材を加熱すると発癌に関係するAGEやアクリルアミドといった物質が生成されます。肉類に含まれるNeu5Gcも加熱で増えます。

αリポ酸やコエンザイムQ10などの体にいい抗酸化物は熱で減少するので、加熱料理は酸化に傾くことになります。

食用油を用いた高温調理では、発癌性が指摘されているトランス脂肪酸を摂取することになります。

同じく油の加熱では、認知機能の低下をもたらす物質も生成されるので、認知症をさけたい場合、揚げ物はほどほどに、ですね。

 

5、有害物対策

有害物の対策は、アク抜きのように有害物を抜く処理方法と、無毒化やいったん体内に入ったとしてもそれを排泄することです。

玄米は、発癌物質であるニトロソアミンの有害性を低下させます。

調理法の工夫でも有害物を低減することが可能です。加熱で増えるNeu5Gcの対策は、低温調理すること、作ったら早めに食べることです。

肉に多く含まれるアラキドン酸は、炎症を起こす物質を合成し、肉の過剰摂取は動脈硬化や癌の要因になりますが、魚に含まれるEPAやゴマのリグナン、亜麻仁油、シソ油、亜麻仁油、大豆は、肉による炎症を抑制します。

あまり経験はないかもしれませんが、私の家ではいつものようにしているのですが、肉料理にお魚や豆腐を併用してはいかがでしょうか?

カタクチイワシで出汁をとった汁に、トマト、ナス、ハーブを加えて西洋風に味付けして、肉を頂くのも意外といけますよ。すりごまも入れて下さい。

生食でいただくか、蒸す、コンフィなどの低温料理は、AGEなどの産生量が低くなり、体に優しい調理法となります。

ニンニクを毎日食べると癌予防になることが知られていますが、加熱して召し上がって下さい。

腸に炎症をもたらし野菜に含まれるレクチンという物質は加熱により毒性がなくなりますので、特に含まれるトマト、なす、ピーマン、ジャガイモなどのなす科、豆類を多く摂取する際は、十分に加熱していただくことです。

 

6、終わりに

今回は、主に食材に含まれる有害物について語りましたが、食材の有害物は調理方法や食べ合わせで安全に召し上がることができます。

<< >>
施設見学を随時募集中。 お気軽にお問い合わせください
098-992-0088