2022.12.30 インフォメーション

ATP不足で起こる採血検査の変化・・・採血結果からATP産生量を探る

ATPは体内のエネルギー物質ですが、同時に代謝を進めるための潤滑油あるいは経済を回す通貨のような存在と言えます。

ATPが不足すると脂質の採血検査で特徴的なパターンがみられます。

中性脂肪とコレステロールが低下します。

ATP不足では、アセチルCoAを原料とする中性脂肪やコレステロールの合成が低下し、代わりにケトン体合成が促進されます。採血で低中性脂肪、低コレステロール、ケトン体上昇、尿酸低値があれば、ATP産生量低下は確定的です。

ATP産生が低下するとリンが上昇(ノーマルハイ)し、上昇したリンが尿酸合成を抑制するので尿酸が低下します。

この採血結果では、症状として疲労感、聴力低下、便秘、心機能低下、心不全、筋力低下、握力低下などの症状と関連します。

ATP産生を高めるには、鉄、B群、αリポ酸、Lカルニチン、コエンザイムQ10、亜鉛、銅、マグネシウムが必要です。

特に鉄は、電子伝達系複合体のⅠ、Ⅱ、Ⅲとその後のチトクロームCに必要なので鉄不足はATP産生不足の原因になります。

鉄を測定する際は、最初に減っていくフェリチンを測定することです。

鉄不足の方は、食事で鉄分を摂取するか、鉄鍋で料理することです。

採血結果でATP不足を診ることができますが、ATP不足の要因は鉄不足が往々にしてあります。

そのための対策として、フェリチン測定して不足している場合の鉄補充は重要です。鉄を多く含む食材はネットでも確認できますので、活用して下さい。

鉄不足ではATP不足以外にも貧血、甲状腺機能低下などの様々な臨床症状が診られます。一度測定してみて下さい。

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